ロジャリー鉱山に行きたい!!

Country
England
Location
Stanhope
Schedule
2014-06-01-2014-06-11
Target
Fluorite
翌日、朝食を食べてすぐに出発。
向かったのは・・・



キルホープ。
ではなく、ロジャリー鉱山。

実は、とあるサイトから、
鉱山のおおよその場所を探し当てていた。
そこで、グーグルマップを頼りに、
行ってみることに。



この町、そこら中に、うさぎがいっぱい。
歩いていると、草むらから、がさごそ・・・ピョン!
林の中から、集団でダダダダダダ!!!
おお!さすがイングランド!!
ピーターラビットの世界なのね。
この子は迷子かな???
ちゃんとお家に帰れるといいね。

などやりながら歩いて行くこと・・・30分。

到着!?



ゲートがある!!
たぶんここだ!!

過去の経験からか、この先になにかがありそうと感じる。
でも、しっかりと鍵ロック。
まあ、そうだよね。

う~ん・・・
ここで待っていたら、
鉱山関係者の人が来るかもしれない。

粘ってみるのもいいかもと、
ほんの少し期待しながら待ってみるも・・・

ポツーーーーン。

・・・だよね。
残念と諦め、もと来た道をとぼとぼ・・・

あれっ!?
なにかある!!



お家の塀をよく見てみると・・・



こんなところにフローライトが!!
やっぱりここはフローライトの町。
塀にしちゃうなんて、粋だねーーー!

おうちピンポンして、
フローライト情報を聞きたかったけど、
どうやらお留守っぽいので押すのをやめた。

とぼとぼと宿に戻り、宿のお姉ちゃんに、
ロジャリー鉱山のことを聞いてみるも、
・・・知らないみたい。

やっぱりあのフローライトの家の人に
聞いてみればよかったかなとちょっと後悔。

そして、私たちが向かったのは・・・



噂のフローライト鉱山キルホープ!

宿からここまではバスで行けた。
バスは昼過ぎに一本だけ。
そして、帰りのバスも一本だけ。
逃したら最後。

小高い丘や羊牧場が続く、ローカルな道を
バスはぶっ飛ばして走る。

本物の鉱山に行けないのなら、
せめて観光用の鉱山でもいいから行きたい!!
入場料を払って潜入。
どうやら鉱山跡の見学のツアーがあるらしいので、
参加することに。



鉱山の中はものすごい水の量。
トロッコの線路につまずかないように注意しながら、
借りた長靴でじゃぶじゃぶ突き進む。
暗くて狭くて寒くて怖い!



基本的にフローライトは、
鉛を産出した鉱山から副産物的に採掘された石らしく、
この見学では、その鉛採掘の歴史を知ることが出来た。
が、そういうことなので、
鉱山跡の中でフローライトを見ることは出来なかった。
残念。

その他は特に見所はない。



SHOPと書かれていたので、
鉱物店かと思って入ってみたら・・・



なんじゃこら。
お店じゃない。
採掘労働者のお部屋を再現!?
マネキンが怖い・・・
10秒で終了。

帰りのバスが来るまで、あと2時間ほど。
やることがない。

と、うろうろしてたら、
大きな洗い場を発見。

中を見てみると・・・



砂利がいっぱい。
実はこれアナログな砂利洗いマシーン。
マシーンに付いた棒を力一杯下げると、
中のカゴが上がって、砂利が見えてくる。
棒を上げ下げすることで、砂利が入ったカゴが上下し、
洗うことができるらしい。



ほとんどがただの石だけど、
よく見ると、小さなフローライトもあった。

スタッフの方に聞くと、
ここにあるものは持って行っていい、らしい。
子供達のお土産コーナー!?

今度はもうひとりが棒を下げ、
私がフローライト探し。
この作業の難点は、棒を下げ続けていないといけないので、
一人ではなかなか難しいということ。

わ~い!フローライトだ!
おっ、これ結晶がキレイ、
あっ、この奥の方のは紫色だ~♪
最初はつまんないと思ってたけど、
なんだかんだ言って、満喫。



スタッフの人が石を補充してたので、
どうもここで採れた石ではなさそう。

ロジャリー鉱山産と思われる
グリーンのフローライトも。
これは、かなり探さないと見つからない。
もうひとりは残りの時間、ひたすら探していた。
タダでお土産ゲット!!!



私は、途中、おばあちゃんたちに、見つけた石を見せたり、
採ってあげたり、楽しい交流!



洗い場の外に置いてあった石の中にもフローライトを発見。
結局、バスの時間ギリギリまで、拾い続け・・・
入口にある展示コーナーを見忘れた!!!



気になるものがたくさんあったけど、
10秒だけ見て、バスへ走り乗り込む。
なので、見たという記憶以外、
どんなものがあったかとか、まったく覚えてない。

最初は、来るつもりはなかったけど、
昨日おじいちゃんに出会ってよかった。
観光用鉱山でも、なかなか楽しかった。
なんだったら、毎日ここに来て、
フローライト拾いまくりたいぐらい!!

ほくほく顔で宿に戻り、部屋にいると・・・
宿のお姉ちゃんが部屋にやってきた。

私たちに一枚の紙をくれた。

私たちがキルホープに行っている間、
宿の1階にあるパブに来ているお客さんに、
ロジャリー鉱山の事を聞いてくれたみたい。
情報をくれたのはこのおじちゃん。



メモによると、
ロジャリー鉱山に行くには、
ソーミルという場所に行って、
@@@@さん(名前は出せないので仮名)
という人物を訪ねろ、
ということらしい。



私たちが朝行った、ゲートよりも、
もっと奥に、ソーミルという場所があるらしい。

明日から特にやることもない!!
まだ日は沈んでない。
とにかく行ってみよう!!!



と朝行った道をふたたび。
あの閉まっていたゲートを通り過ぎ、
さらに道路沿いを進んでいく。
すると、教えられたソーミルという場所に・・・



またしても、ゲート。
プライベートゲートって書いてある。
やっぱり一緒。
鍵がしっかりかかっていた。

と、その時!
看板を発見。
そこに書かれていたのは、@@@@。
そして電話番号。

これはメモにあった名前と一緒。
やっぱりこの人がなにか知っている。

ということで、
これはもう電話するしかない。
ただでさえ英語はダメダメなのに、
イギリスで聞く英語はさらに何も聞き取れない。
でもやるしかない。
こういう時、もうひとりよりも私の方が多少英語力がある?
ということで、いつも私が担当。
私だって、全然わかんないのに、ずるい!!

正直、どっきどき。
最低限の会話をイメトレして、
勇気を振り絞って、電話をかける。
どきどきどきどき・・・
内心、出てくれるなと思ってしまう。

・・・「Yes」

あ、出た・・・低い男性の声。

『ハ、ハロー!はじめまして。
 私の名前は石野田奈津代です。
 私はジャパニーズです。ジャパンから来ました。
 私はツーリストです。』

・・・「Yes」

『あ、えっと、わ、私は今、ゲートの前にいます。
 私はロジャリー鉱山に行きたい。
 だから、私はあなたに会いたいです。
 私はあなたに会うことができますか?』

・・・「Why?」

へ? わ、わーい!?
なぜ?って聞かれた?
一瞬、頭の中が真っ白になった。

なぜって、なぜだろう・・・ どうしよう・・・
なぜ?なんて聞かれるとは、みじんも思わなかった。
っていうか、
低くて無機質で怒ってるみたいな超怖い声。
おどおどおどおど、と、とにかく何か話さなきゃ。
とりあえず・・・

『えっと、えっと、私はツーリストです。
 私はフローライトが好きです。
 私はロジャリー鉱山に行きたい。
 だから私はあなたに会いたいです。』

・・・「Why!?」

ひぇぇぇえええええ さっきより、
強め&きつめの「Why?」
完全に怒ってる!?
怒ってるよね、絶対怒ってるよ。
わかってます、電話越しなのに、
ビックリするくらいリアルに気持ちが伝わってくる。
もうダメ・・・ 怖すぎる、ギブアップ!!
このあと何を話してどう電話を終わらせたのか、
怖すぎて、記憶がない。

私の頭の中で「Why?」がこだまして、
私の中の何かを破壊してしまったらしい。
お、恐ろしい。
耳の奥底で、今もこだまする、あの低い声「Why?」
今まで、生きてきた中で聴いた「Why?」の中で、
ベストオブ恐ろしい「Why?」だった。
というか、世界で一番恐ろしい「Why?」だと思う。
いつもの「鉱山に行きたい!」だけでは、
全く相手にしてもらえなかった。

普通に考えるとそうだよね。
知らない外国人がいきなり電話してきて、
カタコトで鉱山行きたい、あなたに会いたいなんて。
なぜ会わなくちゃいけないんだって、思うのは当然だよね。
今までは、たまたまいい人に巡り会っただけだったんだ。

これで打つ手なし。 そして、私の心は完全に折れた。
耳から離れない「Why?」 放心状態・・・
怖さとショックでなんだか泣けてきた。

そんな中、もうひとりは諦めない。
もう一度グーグルマップで場所を確かめている。

きっとこの先にロジャリー鉱山があるのに、
行くことが出来ないなんて・・・
きっとあのあたりなのに・・・



もう諦めよう、帰ろう、と思っていた私のそばで、
もうひとりが、グーグルマップでなにかを見つけた。
地図上に、@@@@という文字を発見。

この@@@@、
もしかしてあの超怖い@@@@さん?

ここで、もうひとり、
直接そこ行ってみようぜ!とか言う。
なに言ってんだ、この男。空気が読めなすぎ!
代わりに「Why?」を聞かせてやりたかった。
あの恐ろしい言葉が耳から離れない私的には、
もうやめておきたい・・・。

が、あの「Why?」を聞いていない男に、
そんな意見は通らず、
その@@@@と書かれた場所に向かってみることに。

すると、そこには一軒の住宅。
覚悟を決めてピンポンすると、
気のよさそうなお母さんが出てきた。

『@@@@さんはいますか?』

と訪ねると、
間違ってたーーー!!!
この奥の家が@@@@さんの家らしい。
やさしいお母さんだったので教えてくれた。

そして奥へ行くと、
そこには、超デカい豪邸。
これは鉱山を持っていてもおかしくない。
一目見て分かる、それぐらいの家だった。

お金持ちが相手か~!!
超怖い!
行きたくない!!

めったぎりに断られるのが見えすぎてて、
足が前に進まない。

が、そんなことは許されるわけもなく、
もうひとりに押し進められて、お宅へ。

少し待っていると、タイミング良く、
お兄さんが運転する車が通りかかった。
とりあえず「Why?」の人ではなさそう。

すかさず、声を掛ける。
どうやら、車に乗っていたのは、
@@@@さんの息子さんのよう。
鉱山に行きたいことを伝えようと話をしていると、
その奥で@@@@さんと思われるようなおじさまが、
こちらの様子をうかがっている姿が・・・
そんな中、息子さん、お母さんを呼んでくれた。

『突然やってきてすみません。
 さっき@@@@さんに電話したJAPANESEです。
 どうしても鉱山に行きたくて、ここに来ました。
 どうしたらいいですか?』

と知りうる限りの単語で話してみる。
突然の訪問に困惑気味のお母さんだったけど、
ちゃんと質問に答えてくれた。

お母さんによると、
ロジャリー鉱山のオーナーは、
@@@@さんではなく、別の人。
鉱山に行くには、その人の許可がいるという。

必死で食らいつき、お願いして、
許可を取る方法を教えてもらった。
お母さんがやさしくてほっとした。
「きっと許可が取れるわよ」って笑顔で言ってくれた。
お礼を言って、宿へ。

許可取りのトライをし、この日は終了。

結果が出るのは、明日以降・・・
はたして、どうなる!?