女子採掘職人は注目の的!

Country
Sri Lanka
Location
Rattota
Schedule
2014-07-14-2014-07-17
Target
Topaz
ようやく辿り着いた採掘現場。
そこには今まで見たことのないタイプの穴。



今まで見てきた採掘用の穴は、
どれも深く大きな四角い穴で、
中はしっかりと木材で補強してあった、
でも、ここは、ただの穴。

日本のマンホールよりもちょっと大きめの円で、
まっすぐ均等に下まで掘られている。

しかも、どの採掘現場も
穴の中は大量の水であふれていたのに、
ここにはまったく水がない。
乾いた大地。
同じスリランカなのに、不思議。

話しを聞くと、
どうやらこの穴の中から、
トパーズが見つかるのだとか。

見せて見せてとお願いすると・・・



ほほう!
これがトパーズなのかぁ。

赤土から出てきたので、
少しオレンジ色に見えるけど、
無色透明。

ガラスのようにも見える・・・
クォーツと言われれば、そんな気もする・・・
それぐらいなんとも言えない石だ。
クォーツと比べると、
トパーズの方がずっしり重いらしいけど、
ひとつ持っただけじゃ、全然わからない。

ここで掘らせてもらえないかと思ったけど、
どうも次に行くらしい。
ああ、トパーズ!!!
みんな、見せてくれてストゥーティ!(ありがとう)



そして、案内してくれた男性に連れられ、
少し離れた場所へ。



すると、そこらかしこに穴、穴、穴。

どうやらここもトパーズの採掘現場らしい。

この穴、どうやって出入りしているかというと・・・



ロープを使って、上り下り。
細い穴の場合は、ロープはナシで、
肘などを使って移動するのだという。
どちらにしたって、かなりの体力を使う。
このあたりの赤土は硬く強いそうなので、
あまり崩れたりすることはないという。

ここはラトナプラとは違い、
ほぼ観光客や外国人が来ないようで、
作業してた職人さんが作業を止めて、集まって来る。

ここを仕切っているっぽいパリッとした服を着た人が、
とっても親切で、ウェルカム状態。
英語も少し話せるよう。
そして、職人さん達が作業の様子を見せてくれた。
ここは水があまりないらしく、
作られた溜め池も、赤土でかなり染まっている。



洗った後のザルを私にチェックさせてくれた。

どれどれ・・・



ここの土は赤土で、すべての石が同じ色。
赤土で染まっちゃってる。

んんん、全然わからん!

透明なものもあるけど、私が見つけたのを見せると、
「これは違う!」というリアクションばかり。

でもでも、じゃーーーん!!



トパーズ、あった!!
と言っても、私が気づいたのは2つぐらいで、
あとは、職人さんが教えてくれた。
しかも、あげると言う。
えっ!?く、くれるの!?
スリランカの採掘現場でそんなこと言われるの初めて!
なんて気前がいいんだ。

さらに、ここでお願い!!!

『私もウォッシングやっていい?』

なんと、あっさりOK。

ポリバケツに入ったキレイな水を持って来てくれた。
え?これで汚れた手を洗ってくださいって?
わ~!私をレディ扱いしてくれるなんて、ありがとう。
なんというやさしさ。
でも違う違う!!
汚れるのなんて全然ノープロブレムなの。
私、手を洗いたいんじゃなくて、
ザルで土を洗いたいの。

ちょっとビックリされたけど、やっぱりOK。

ここのザルは、ラトナプラと同じなので、
おまかせあれ!!



すると、女なのにできるの!?
なんで外国人なのに上手いの!?

的なみんなのリアクション。
わいわい写メ撮られたりして、
どんどん職人さんが集まって来る。
注目の的!!!
みんな笑顔で見学、なんかうれしいな。
私も気合い入っちゃう!!

そして、気になる結果は・・・



ガビーーン。

ひとつもなし!!!!
みんなの視線を集める中、ひとつもなし!
ウソでしょ!?
結構な時間をかけて、
かなりたっぷり土を洗ったのに・・・
正直かなりきつかった・・・
たのむ、ひとつくらいあってくれーーー!
・・・なかった。

こんなところではやめられない!!!

『もう一回、もう一回』

とお願いして、再チャレンジ。

すると、今度は、必ずトパーズが出るように、
ということか、次から次へと土がやってくる。
本格的な洗い作業。
今度は職人さんがサポートに付いてくれた。
サポーターが付くのは初めて♪
採掘現場にはこの役割の人がいるので、
私もやってもらいたいと思っていた。



私はザルを回し続け、
相棒の職人さんがザルの中の余分な大きな石を取り除く。
中身が減ると、土を持ってきてくれて、足される。
私はザルを回し続ける。

といった感じ。
ラトナプラでも職人さんたちはこのスタイルなのだが、
これはとてつもなくしんどい作業だった!!

当然のことながら、
ザルを回し続けるのはパワーがいる。
しっかりつかまえていないと、
下に沈んでしまうので、休むこともできない。

足場は赤土独特のどろどろ粘土質で、踏ん張れない。
水が少なく浅いため、足腰にかかる負担がハンパない。
汗が涙かと思う程、ぽたぽたぽたぽた落ちていく。

相棒の職人さんが石をどけて
軽くしてくれるのはすごく効率がいいけど、
全然手を休める時間がないーーー!!

1杯、2杯、3杯、5杯、10杯、15杯・・・20杯・・・
ぬわ~~~~~っ!!!
たのむ~~~!!
もう、これ以上、土を継ぎ足さないでくれーーーーっ!!!
おかわり、ノーサンキュー!!
腕がどうにかなっちゃうよ!
腰が折れちゃうよ。
足がつっちゃうよ。
この作業、いつ終わるのーーー!?
エンドレス。
自分からやりたいと言い出した手前、
弱音を吐くわけにもいかず、
笑顔を絶やすわけにもいかない。
そして何より、父ちゃんのために、
自分でトパーズを採りたいっ!!!
根性でひたすら回し続けた。

そして、ようやくストップ。
ぜぇはぁぜぇはぁ・・・もう、限界。
終わりがあってよかった。
気温も高いし、汗だく。
たっぷり土を洗った。



今度はどうかな?

たのむ、もうないとか言わないで。
1つでいいから、出て。お願い。
もうあのつらい作業、ムリ・・・
まさに、祈る気持ちでチェック。

ととととと・・・



トパーズ見っけーーーっ!

みんなも興味津々。



最終的にこれだけ見つけたーーーー!!!
ひとつはちょっと大きめ。
やった!!超うれしい!!
ふんばったかいがあった。
正直、スリランカでの採掘経験で一番きつかった。
心もひっくるめて、体全体がうれしいーーーって叫んでる。

念願の11月の誕生石トパーズ採ったーっ!!!
今回は、買取交渉もスムーズ。
買い取りたいと言うと、
好きな値段でいいよと言われた。
こんなこと、ラトナプラじゃありえない。
相場がわからないと言うと、超良心価格を言われた。
お礼の気持ちを込めて上乗せして支払ったけど、
それでもすごくお手頃な値段で譲ってもらった。
観光客が来ないところでは、下心がある人もいないのか、
この地の人がみんなおおらかなのか、
とにかく、終始気持ちのいい現場だった。

最後はみんなで記念撮影♪



私の採掘作業着も、思い出と共に、
ラットタの朱で染まり、
よりかっこいい感じになった♪

採ったトパーズを、宿に戻って洗ってみたら・・・



わぁ。
少し赤土が残ってるのか、鉄分なのかわからないけど、
透明な輝きを見せてくれた。
土を洗い流して、素顔が見えてくる時の、
この変身っぷりが好き。
愛情たっぷりな人達の手によって
掘り起こされたトパーズ。
ようこそ!光の世界へ!
トパーズ採掘も大成功に終わったのだった。