8月の誕生石「ペリドット」

Country
Norway
Location
Lom
Schedule
2014-05-04-2014-05-09
Target
Peridot
私がノルウェーに来た理由。
その一番は・・・

ペリドット探し。

8月の誕生石ペリドット。
私の妹が8月誕生日なので、
絶対に採りたいと思っていた。
そして、ペリドットの産地を調べてみると・・・

*アメリカ・アリゾナ
*パキスタン
*ミャンマー
*ザバルガード島(エジプト南部)
*中国
*エチオピア
*スーダン
*ノルウェー
*ベトナム
*スリランカ

という感じ。

行けそうな場所は、
ノルウェー、ベトナム、スリランカ。
あとは危険な匂いがプンプンする。
ベトナム、スリランカはアジア。
そこで採れないと取り返しがつかない。

ノルウェーなら行けるかもと、さらに調べてみると、
どうやらノルウェーのペリドットは、すごいレアっぽい。
もう無いという風にも書いてあったけど、
今までの経験上、行ってみれば、
低品質なものなら、見つかることもある。

どっちにしても
数日探したぐらいでは、
そんな高品質のものは採れないので、
とりあえずカケラでも採れれば・・・という想い。

ネットには、オーヘイム産と書いてある。

グーグルマップ上でその町を見つけた。
どうやらノルウェー北部のフィヨルド地帯の近くにある町。
ノルウェーでエメラルド探しをしながら、
オーヘイムまでの行き方を調べていたが、
どうにも行き方が見つからない。

近くの町まではバスで行けそうなのだが、
そこからの交通機関が見つからない。

そこで、エメラルド鉱山滞在中のある朝、
アンナに相談してみた。
日曜日に、オーヘイムに向かいたい!と。

お母さんはペリドットのことも
オーヘイムのことも知らないようだったけど、
ネットで探してみるわ、と言ってくれた。

その日、採掘現場でエメラルドを探していると、
ひとりのおじいちゃんに話しかけられた。

「君たちがオーハイムに
 ペリドットを掘りに行きたい人?」

・・・オーハイム?オーヘイムのこと?(以降オーハイムに)

っていうか・・・、なんで知ってるの?
不思議に思いながらも、そうです。と答えると、

「私は君たちの手助けが出来る」

と言う。

どうやらアンナから話しを聞いたみたい。
そして・・・

「ロムという町に来なさい。
 私は日曜日ここにいるから。」

なんでもロムの町に鉱物博物館があるらしく、
パンフレットをくれた。

いやいや、そこじゃないの。ロムってどこ?
とりあえず私たちが行きたいところと違うよ。
と思いながら聞いていた。

その日の作業が終わり、
アンナの所に行くと、
そのおじいちゃんに会ったかと聞かれた。

なんと、あの方、ガールモーさんと言って、
ノルウェーでは有名な鉱物学者なんだとか。
彼がオーハイム行きを手伝ってくれるらしい。
偶然、この日、エメラルドを探しに来ていたそう。
あなたちはラッキーよ。だって。

そんなスゴイ人だったとは!

ガールモーが話したことを
私たちはイマイチ理解出来ていなかったが、
奥さんが、ロムで鉱物博物館をやっているようで
そこに行けば、
オーハイムへの行き方を教えてくれる。
ということらしい。

どうする?と聞かれたので、
もちろん即答。

『行きます!』

宿に戻り調べてみると、
ロムは、ちょうど今いる場所と
オーハイムの真ん中の位置。
バスも停車する場所。

エメラルド採掘を終えた私たちは、
バスでロムへと向かった。



エメラルド鉱山がある湖の対岸を走り抜け、
北へ北へ・・・
20年前のオリンピック開催地、
リレハンメルを通過し、
約5時間。

バスは、予定より少し遅れて、ロムに到着。



私たちがまず向かったのは、
彼の奥さんがやっているという
鉱物博物館。

特徴的な建物だったので、すぐに発見。
おぉ!クォーツの結晶の形してる!!



・・・

あれ?
ドアが開かない。
今日は閉館している?
営業時間15:00まで。
今16:00過ぎ・・・

待っててくれるのかと思ったけど、
や、やばい!!

事前にネットで調べた限りでは、
このあたりのホテルはすべて満室。
やばい・・・

と不安になってたら、
どこかで見た姿が!!

いたーーーーっ!!!

ガールモー!!!



名前も知らない日本人の
私たちをわざわざ待っててくれた!!!
う、うれしすぎる。

彼はこれからオスロに戻るみたいで、
すぐにお別れ。

奥さんを紹介してくれた。
そして博物館の中へ。
ちなみに博物館は無料。



めっちゃめちゃ石があるーーーーっ!!!
ノルウェー産のコーナーも!
もちろんエメラルドも!!



私が探してるペリドットもあった!!!
やっぱりオーハイム産!!



ここは博物館だけでなく、
鉱物やアクセサリーの販売もしていて、品揃え豊富。



ホントにオーハイムに行けるかわからないし、
ペリドットが採れるかどうかもわからないので、
オーハイム産のペリドットをとりあえず購入。



アクセサリーコーナーには、初めて見る石も・・・
ここ、ロムで採れる、ピンクのチューライト。
なんかちょっと気持ち悪い石、エクロジャイト。

ここにある石はガールモーが採ったりして、
集めた石ばかりなんだそう。



そしてそして、
でたーーーーーーっ!!!

ペリドット。オーハイム産。
研磨カットはお友達がやってくれているんだそう。
しかも、親切にしてくれたガールモーが
採ったペリドットなんて、
ステキすぎる!
ぬくもりを感じる。

よし!これを妹にプレゼントしよう!

どれにしようかな~♪
ペンダントトップも気になるけど、指輪もいいな♪
このデザインも好きだけど、こっちも捨てがたいな。
両方欲しいけど、いいお値段だな~。
って、自分がほしくなっちゃうな~。
あれこれ検討した結果、
これをして喜んでいる妹の姿が想像できたから、
しずく型の指輪を購入。
うん、きっと似合う!!

そしてこの方が、ガールモーの奥さん。
彼女の名前はフレイディス。
フレイディスも、旦那さんが採った石を使って、
アクセサリーデザインしている。
なんてステキな夫婦!!



世界中を旅して、採掘してるって言ったら、
「マンマミーヤ!ファンタスティック!」
って目をきらきらさせてた。
彼女に、オーハイムに行きたいことを伝えると、
すべて段取ってくれた。

まず行き方のこと。
ここから、オーハイム近くまでバスで行き、
そこで降りるとオーハイムまで行くバスがあるらしい。
ただし、着くのが夜になってしまうので、
困らないようにオーハイムでの宿も見つけてくれた。

オーハイムの町にあるスーパーマーケットの裏に
泊まれる部屋があり、
鍵を横に置いておくからそれで入ってね。だって。
簡単な地図も書いてくれたけど、
それってどんな宿!?
ちゃんと入れるか、ちょっと不安・・・

ただオーハイムは広いので、
ペリドットが出る場所は見つけられないからと
紹介してくれたのが・・・

ペリドット鉱山のオーナー!!!

なんでも古くからの知り合いらしく、
電話番号を教えてもらった。

エメラルド鉱山のアンナに、
オーハイムに行きたいと伝えたら、
偶然その日、ガールモーが来ていて、
ガールモー夫妻がペリドット鉱山のオーナーと
知り合いだなんて!!!!
これぞミラクル!

オーハイムに行きたいと
伝えるのが翌日だったら、
こんな風にはならなかった。

すごい巡り合わせ。

さらに、今日泊まる宿のことも相談。
ノルウェーは宿がとても高いって言ったら、
安い宿を探してくれた。

「ホテルじゃなくて、キャビンだと安いわよ。」
ということで迷わずOK。
キャビンってなんだ?



おお~!
こ、これは、山小屋ロッジ的な!?
昔、少年自然の家とかで子供たちと合宿していたみたいな!
なつかし~!
この旅、初めてのタイプ。
トイレとシャワーは離れだけど十分!
わ~い!どこで寝ようかな~!やっぱ上段だな~♪
急に合宿気分。
ただ、少し家が傾いているみたいで・・・
イスに座っていると・・・酔う・・・
よし、すぐ寝よう!

ロムの町には、1100年代に作られたという、
歴史あるスターヴ教会があって、
板張りでできていて、とても貴重で有名らしい。
ウロコみたいに積み重なった屋根が美しかった。
登山&アウトドアが大好きな人達が集まってる感じで、
町の中にはロッククライミングできる所もあったりする。
このあたりの屋根には草が生えてたり!
とにかくどこにいても見えるどっしりとした山がかっこいい!



翌日。
バスまでの時間があるので、
もういちど博物館へ。
すると・・・

昨日見逃していたペリドットが!!

何この色!?
メロンゼリー色!
っていうか、メロンゼリーみたい!
おいしそーーー!!



実は、ここまでの色ではないけど、
なかなかキレイなルースを昨日見つけていた。
でも、なかなかいいお値段。

一晩考えた結果、
ノルウェー産ペリドットはレアと
ネット情報もあったので、買うことに!!!

なにより、ガールモーが採ったものというが決め手だった。



と、ここでお母さんから残念な情報が!

なんでも調べてみたら、
途中で乗り換えるはずのバスが、
無かったみたい。

そうだよね。
私たちも調べた時出てこなかった・・・

・・・・

「大丈夫。
 迎えに来てくれるように、
 お願いしたから。」

とお母さん。
誰が迎えに来てくれるのかというと・・・

ペリドット鉱山のオーナー!!!

えーーーっ!?
いやいや、申し訳ないです、そんなの。
バスを降りたら待っててくれるって。
バスが遅れるかもしれないのに。

とはいえ、
それ以外、行く方法はないので、
申し訳ないけど、お願いすることに。

何から何まで親切にしてくれたフレイディス。
お礼にチリのラピスラズリと
ボリビアのアメトリンをプレゼント。
マンマミーヤ!ファンタスティック!と喜んでくれた。

そして、ロムを出発。
ロムからは徐々にあたりが雪景色になり、
どこを見ても真っ白の雪の世界に。
巨大な雪山のトンネルを抜け、
美しい山が連なる湖畔沿いを走る。
スケールが大きすぎて、美しすぎる景色に、
目が離せない。



白銀の世界を抜けると、
オーハイムは、もうすぐそこ。