ラピスラズリはどこ!?ミステリーツアー!

Country
Chile
Location
Tulahuén
Schedule
2014-03-19-2014-04-06
Target
Lapis Lazuli
2014年3月29日。
トゥラウェンに来て1週間。

早朝。
ちょっぴり風邪気味でさらに不安がつのる。
とにかくたくさん洋服を着込んで、
パウリーナの元に行く。

すると、パウリーナのお母さんと、
お父さんが商店の中から、
日用品や食料が入った段ボールを運び出し、
車の荷台に積み込んでいた。
私たちは指示され、
ぎゅうぎゅうに荷物が積み込まれた車の後部座席に乗りこむ。

本当に鉱山に行けるのか?
どんなところなのか?
そしてこの車は何をしに行くのか?
何もわからない。
お母さんはもちろん、運転する男性も、
まったく英語が通じない・・・。
大丈夫かなぁ。

砂埃を巻き上げながら、凸凹道を行く。



崖の道をぐんぐん進み、
谷を越え、雪解け水で出来た川を車で渡る。
川の水が少ない時期じゃないと渡れないようだ。
動物の死骸も転がっている。
時々、インディオが描いたと思われる岩も見かける。
そびえ立つ山の頂上に朝日が光る。



1時間くらい走ると、何もないところで車が止まった。
朝食だと言う。
まぶしい朝の日の中で、
お母さんが用意してくれた
パウンドケーキとゆで卵をいただく。
おいしい!
なんか、ピクニックみたいだ。

だけど、食事が終わってもいっこうに進む気配がない。

車で休んでいると、なにかがやってきた!



馬に乗って現れたこの人、
大きな木箱をおろし、何か取り出した。
中からでてきたのは、四角くて白っぽい固まり。



その正体は、チーズ。

お父さん、木箱からチーズを取り出し、
後部座席に積んであった計量器で、
次々と重さを量っていく。
そして、お母さんが、お金を渡した。

もしや、これはチーズの買い取り?

今度は、チーズを売りに来た人が、
荷台積まれた日用品・食料を選んでいる。

なるほど!
チーズを買い取って、
逆に彼らに日用品・食料を販売!
そういう商売をしてるのか・・・

でもここは携帯電話の電波は入らない。
何月何日、何時頃にこの場所って感じで決めてるのかな?
あの人は一体どこに住んでるんだ!?
どこから来たのか?
謎だらけ。

って、じゃあ鉱山はどうなるの!?

電波が来ないので、
いろいろ聞きたいことはあるけど、翻訳も出来ない。
不安はつのるばかり・・・



その後、さらに車を走らせ1時間。
今度は川が流れる谷間で休憩。
ここでも、チーズの買い取りが行われた。
持参したポテトチップスは気圧でパンパンにふくらんでる。
どんどん標高が上がっていく。



ちなみに、余談だけど、このペブレ味。
美味しすぎて、トゥラウェンにあるの全部を買い占め。

車が進むと、さらに標高が上がっていく。
写真を撮って確認するとすでに2400mを越えてきている。
(カメラにはGPSと標高の表示機能があるので逐一チェック)
まずい・・・、私は高山病になりやすい。
そういえば、肺が苦しくなってきた気がする。

だんだんと山道も急になり、
いくつもの小川を超え、
悪路を進んで行く。
そびえ立ついくつもの山。
なんとも言えない色、本当に美しい。
石がごろごろしている急な山を駆け上ると、
山頂近くで車は停車した。



外に出ると、猛烈に風が強い!
すごく寒い!!
標高はさらに高い。

お母さんが、
あの山の向こうはアルゼンチンだと言う。

超キレイ。
すぐそこは国境なんだ。

ここでまたチーズを売りに来る人を待つのかな?
ラピスラズリ鉱山はどうなった!?

しばらくすると、
お母さんがアルゼンチンとの国境の山を指さした。
え?どこどこ?
じっと目を懲らすと、真ん中の道に点みたいな物体が・・・



動いている・・・
アルゼンチン側から、なにかがやってくる。

そして、それはどんどん近づいてくる。



うそ!?
あの点は人と馬だった!
衝撃!!

そしてまたチーズの買い取りが始まった。

こうやって、いろんなポイントがあって、
チーズを買い取る約束をしてるんだ。
おもしろい!!

私たちもご飯をごちそうになったので、
すこしばかりお手伝い。



この人達は、アルゼンチン側からやってきた人なのだが、
パスポートとか、イミグレーションとか、
たぶん関係ない感じ。

車を走らせ、止まっては、チーズの買い取り。
今日は、鉱山に行くことは出来ないのかと思い、
意を決して、お母さんに、
いつも持っている文章を見せてみる・・・

『私たちは鉱山に行きたい!!』

お母さんは、わかったわかった、
わかってるわかってる、と笑ってうなずく。
ホント!?
ホントにホント!?

ガタゴト揺れる車にしっかりしがみついて、
さらに山を登ること40分。
山の斜面にうっすら青っぽく見える場所が現れる。

もしかして、あれじゃない!?

近づくにつれ、よく見ると車が走る道の脇にも、
青っぽい石がごろごろしている。

絶対そうだよ!
ラピスラズリだ!!

そして車が止まる。
お母さんがこっちこっちと呼ぶけど、
もう足下の青い石に夢中。
あっ!これ青い!
あっ!これもっと青い!
超キレイ!

急いでついて行くと、
山に洞窟が!
洞窟のすぐ横には真っ白な雪。
え!?雪が残ってるの!?
それもそのはず、
カメラを見ると標高は3500m越え。
息苦しい。

事前に調べた時に、
「アルゼンチンと国境を接する
 チリのアンデス山脈の標高3500m」
と書いてあったが、まさにその通り。

中に入ってみるとそこは・・・



なにこれ・・・
これが本当の青の洞窟・・・



す、すごくキレイ。
息を飲むってこういうことか・・・
青い・・・
こんな世界があるなんて。

神秘的。

うっとりしているのもつかの間、
もう帰るわよとお母さん。

え!?もう!?
ここに来てまだ5分も経ってないよね?
もう少し待って!!

という想いは届かず、
即撤収!
そうだよね、早く戻らないと、
今日中に帰れなくなっちゃう!



未練たらたらで、
今たどって来た道をひた走る。

ああ、すごい場所に来ちゃった。
全てが青かった。
さっき見た青の洞窟が何度もよみがえる。
本当にすごかった。
すごいものを見たという感じだった。



シークレットミーナ。
4日待ってよかった。
あんな山からラピスラズリは
運ばれて来ているんだ。
すごい1日だった。



家に戻ると、パウリーナたちがどうだった?
と待っていてくれた。
みんながご飯を作っていたので、
一緒にいただくことに。
おいしい、楽しい、いろんな意味でお腹いっぱい。
すごい所にたどり着いた。
そんなことを思いながら、最後の夜は更けていった。

こうしてチリでのラピスラズリ探しは終了。
12月の誕生石を手に入れることが出来た。