トビラの向こう

Country
Bolivia
Location
Puerto Suárez
Schedule
2014-02-19-2014-03-19
Target
Bolivianita [Ametrine] / Amethyst


トビラの向こうに見えるのは、
おそらくボリビアニータ。

しかも、超巨大!!

なんだかよくわからないけど、
これはすごいことになってきた。

この家は一体なんなのだろう?

ワクワクワク・・・

5分経過

ワクワクワク・・・

10分経過

ワクワクワク・・・

15分経過

ワクワクワク・・・

日陰でじっとしていても汗だらだら。
くそ暑いが、待つしかない。

もう目と鼻の先には、
ボリビアニータが!!!

と、そうこうしていると、
一人の女性がやってきた。

『日本からボリビアニータの鉱山に行きたくて、
 ここまでやってきた。どうしても行きたい。
 あなたは知っていますか?』

と一生懸命スペイン語とジェスチャーで伝える。

すると、彼女はほほえんで、
私たちを門の中に招いてくれた。
どうやら、この家の主のようだ。



マジ!?



マジですか!!



入っていいの!?



ワクワクワク・・・



すると・・・



次々とブルーシートを外してくれる。



紛れもない
超巨大なボリビアニータ!!!



うわ~~~っ!!
なにこれ!?
す、す、す、すごすぎる!!
初めて見た!!
こんなに巨大な原石があるなんて!
結晶のひとつひとつが、超おっきい!!



っていうか、
こんなにざっくり置かれてていいものなの???
ゴミとかのっかっちゃってるし。



さらに奥に進むと、大量のボリビアニータが。
遠くから見たら、
まるで、ミサイルの弾頭が並べられてるみたい!
なんだここ!!



彼女の名はリリー。

話しを聞くと、
ボリビアニータとアメシストの倉庫だと教えてくれた。

ちなみに、足下にある石は、すべてアメシスト。



ついにここまで来た。
この人ならば、鉱山の行き方を知っているはず。
早速、鉱山に行きたい、と相談してみる。

彼女の答えは・・・

「行けない。」

理由はよくわからなかったが、
行けない。というのはわかった。

それでも諦めずお願いしていると、
鉱山への行き方を知っている人が、
サンタクルスにいると言う。

えっ!?
サンタクルス!?

サンタクルスといえば、数時間前に、
15時間ぐらいかけて、
この地にやってくる前にいた町。
マジですか!?

その場で彼女はサンタクルスにいる
ラミーロという人に電話をかけてくれた。
が、ここで私に電話をバトンタッチ。

スペイン語力、ゼロ!
直接会って話すのもダメなのに、
電話はもっと絶望的!!
と思ったら、どうやら英語が通じるみたい。

と言っても私の英語力、ほぼ何も習得できないまま、
アメリカを旅立っていたので、
伝えられることはただひとつ。

『I want to go to mine!』

私はサンタクルスから今日この町にやってきた、
どうしても鉱山に行きたい!

電話越しのラミーロは、Yesって言ってる。
え!?本当に!?鉱山行けるの?

でも、何か一生懸命説明してくれている。
重要なところの単語がどういう意味なのかわからない。
Yesは、行けるって意味なのか、
あなたの気持ちはわかったって意味なのか、
どうしよう・・・全然理解出来ない。
行けるのか、行けないのか、全然わからない。

とりあえず、私の口から出る言葉は、
呪文と化した『I want to go to mine!』
もう、全然話が進まない。
ダメだ、やっぱり電話越しじゃ・・・。ギブアップ・・・。

結局行けるのか、行けないのか、
よくわからないまま、リリーに電話を返す。
彼女もちょっぴり困り顔。
でも、とってもやさしかった。
彼女からラミーロの電話番号と、住所を教えてもらう。

とりあえず、ここから鉱山には行けない、
行けないのはわかったが、それで帰るのはもったいない。
ここには素晴らしい石が沢山ある。
そこで、ここにある石を買いたいと申し出る。

しかし、これも彼女の答えは、No。
なんでもここに並べられた石は、
すべてブラジルに送られるのだという。

全部?
1つだけでもダメ?

「No!」

鉱山に行けない。
石を買うことも出来ない。

なにも手に入れられない。
そんなのは嫌だーーーーっ!!!
と最後のお願い。

『ここに落ちている石、
 お土産にひとつください。』

「・・・OK!」

やったーーーっ!!
リリー、ありがとう!!



落ちているのは、
ボリビアニータではなく、アメシストだったけど、
探せば、いい形をしたものもあるっ。
ちなみに、もうひとりは、
そんなことを見越し、事前にいい石を選んでいた。
こ、この男、なんというちゃっかり者!
やっぱり、ぬかりない。


私は・・・
あっ、これがいい!超キレイ!



ひとつ。私の宝物を手に入れた。
まさに、あの切手と同じ、アメシスト。