カンボジアの宝石カット&ラスト採掘

Country
Cambodia
Location
Pailin
Schedule
2014-07-29-2014-08-14
Target
Ruby / Sapphire
パイリン11日目。

いよいよパイリン滞在も残り数日。
みんな驚くほどやさしすぎて、
採掘仲間もできて、楽しくて、すっかり長居してしまった。

今日は違う場所に行ってみたいと、ブロスに提案。

ちょっと疲れがたまっているから、
ルッキングがしたいと言うと、
キャッサバ畑に囲まれた細い小道へ。



炎天下の中、探し続けると、
ブロスは1番にピンクのを探し当てた!
さ、さすが!早い!!!



私もすぐに道の溝部分で
つるんとした米粒くらいの紫を発見!



結構いいサイズのパープルサファイア。
やったね。

暑さに負けて、休憩。
冷たいジュースを飲みに行く。
お店で買ったジュースを飲んで復活!

今度は、自分たちで採った石をカットしたいと相談。

連れて行ってもらった場所は
小さなルビーが無数に作業されてる小屋。



缶に無数の穴を開けて、
そこにカットする石がたくさんつけられてた。
小っちゃいルビーがいっぱい。
こんな細かい作業もするのか・・・
カットする人は留守だったので、
いい宝石店を紹介してほしいと言う。

たどり着いたのは、あのお兄ちゃんのところ!

お兄ちゃんが大まかにカット。

接着して、さらに形を整えると、
だいぶ小さくなっちゃった。



ここでは石を大きくとるという技術はないようで?
みんな丸くカットになってしまうっぽい。



スリランカと違って、
調節するメモリが付いてない感じで、ちょっとアバウト。
ルーペで確認することもなく、
職人さんの手の感覚だけで研磨するのかな。
お父ちゃんが仕上げの磨き作業を、
ちゃちゃっとやってくれた。

お兄ちゃんの裏側の石の作業を見てたら、
突然、首の後ろに激痛がはしる!!!!

『痛い!!!』

手ではたいたら、なんか虫の感触。
落ちた地面を見ると、黒い蜂?!!!!!



ブロスがすぐに地面に落ちた蜂をやっつけてくれた。
その間も痛みが半端ない!!!
痛い痛い、いったーーー!を連呼。

タイガーバームをぬれって言われて、
スリランカで買ったアーユルベーダーを塗ったけど、
どんどん痛い!

でもみんなは大丈夫って言う。
痛みがすごすぎて、ちょっと座ることに。
ペットボトルで冷やして、
座っていたけど、だんだん気持ちが悪くなってきた。
これは・・・
横にならないとダメなやつだ。
過去に何度も気を失ってきた経験がある。



でもすでに手遅れ。
完全に冷や汗、貧血状態で立てない。

気づいたら、天井が見えた。
お兄ちゃん家のおおだりの上に寝かされていた。
扇風機をつけてくれて、
ブロスが氷り水ペットボトルで頭を冷やしてくれていた。
冷や汗がでてるの感じつつ、
意識が戻ってきたと思ったら、急激にまた痛みが復活!



気を失っている間に
カットされた原石は、キレイに仕上がっていた。
ブロスがひよこの家で採った紫のサファイアと、
私たちが採ったピッタイ(ジルコン)2つ。

カットはブロスが頼んだ方が安いからと、
ブロスが注文してくれた。
後でブロスにお金を払う。
たった10000リエル。(300円くらい)
最初1個2ドルって言ってたから安い。

こうしてまた思い出のルースができた。




パイリン12日目。

蜂に刺された場所が腫れて痛いし、元気なし。
今日は採掘、お休み。



近所の市場までお散歩。
市場の中に初潜入!
中は・・・国境の市場よりも栄えててきれいだった。

ネイルアートやってるとこや、美容室。
バケツにためた水で髪洗ったり・・・ちょっとこわい。
スペインで切ってもらってから、ずいぶん経つし、
そろそろ切りたかったけど、遠慮しておこう。

宝石屋さんもいっぱいあってびっくり!!!!



こんな世界が広がってたのか!



今日はのんびりデー。


パイリン13日目。



いつもの川へ。
鉄砲水に遭ってから、
今まで掘り進めた穴は全部跡形もなく消えてしまった。
それでも、アンとブンナは今日も元気に新しい穴を掘ってた。
もうすっかり池のようになってる!
すごいパワー。

アンの指示で水際あたりを掘り始め、
この日も採掘。
ザルの穴が大きすぎるから、激しく何度も洗いすぎると、
全部落ちてしまうみたいなので、やさしく、短縮洗い。
結構ガーネットが出る。

お馴染みのランチタイム。
「一緒に食べよう」と何度も誘ってくれる。
チキンのはニンニクタレで食べるとうまい!
筍とお魚のしょっぱいの、シメジとモツみたいなの。



一緒に笑い合って採掘したり、
こんなにおいしくて、心地いいランチタイムが、
もうできなくなると思うと、本当に寂しい。

明日が最後の日だと伝えると、少しブンナの顔が曇った。

夕方、市場で最後の差し入れの買い出し。
『オールドの人と子供にギフトだったら、何がいい?』
という質問で、謎のドリンクを購入。


パイリン14日目。


採掘最終日。

その前に、もっと石をカットしてほしくて、
お兄ちゃんとこに行ってみるが、お兄ちゃんはいない。
「今日はビジー。明日もビジー」と断られ、
最初にブロスが連れてきてくれたところへ。



このおじちゃんがカットしてくれることになった。



ノルウェーで採ったペリドットもカットしてほしかったけど、
この地域の石じゃないし、
やったこともないからと断られた。
そういうこともあるのか・・・

ときどき、
頼んだ石と違う石にチェンジされちゃうことがあるから、
最後まで見ていった方がベターと、ブロスは言う。

でも川に行きたい!
ブロスが紹介してくれた人だし、
チェコで採った真っ赤なパイロープガーネットは、
カンボジアで採れるガーネットとまったく色が違うので、
見たらすぐわかる。
お父ちゃんを信じて、預けた。



川に行ったら、ちょうどランチタイム!

今日のランチはちっちゃいエビのがおいしかった!
干物みたいお魚も!網ですくうという小魚もあった。

差し入れの謎ドリンクを取り出したら、
めずらしくアンが「ひょ〜い!」
って声を上げて喜んで反応した。

『みんなこれ好きなの?グッド?』
って聞いたら、
うん、うん!って感じで笑顔。
いつもはすぐ手をつけないのに、さっそく飲んでいた!
やっぱりオールドには好評みたい。
どうやら、ツバメの巣が入った栄養ドリンクらしい。



いつもの買い取り人も、
差し入れにコーラを持って来ていた。
買い取り人も、差し入れとか持って来るんだ。



この日は外国の人が撮影に来ていて、
ブンナが取材されて、みんなで超盛り上がっていた。



なぜか私もパシャリ。
あの、私、日本人なんですけど・・・

今日も掘る!掘る!

顔ぎりぎりまで潜って穴を掘る。
今日もいい天気!気持ちいい!

そしてついに・・・




川底から、
超ミニピンクのルビーと、
ザルでキャッチしたブルーサファイアが出た!



これが最後の採掘と思って、思い残すことなく、
夕方5:00までやり続けた。

最後はアンとブンナのお風呂タイム。
川でシャンプー。

ちなみにパイリンには未だに飲み水(水道)がなくて、
みんな家の庭に大きな水瓶があり、
そこに雨水を溜めて活用している。
宿には水栓トイレとシャワーはあったけど、
水は若干薄茶色だった。



働く男の背中は美しいな。

『あなたたちに会えてハッピーです』と、
ブロスに教わった言葉を話すと、
アンもブンナも喜んでくれた。

そして、『ソクサバーイ!(元気でね)』
でお別れ。
もう会えなくなっちゃうことが切なくて、
涙が出た。
この旅、お別れで泣くのは3回目。
みんな、大好き。

カットお願いしてた石は、
ものすごくキレイなクオリティーで帰ってきた!
さらに石を追加してカットしてもらうことに。

夕方、
散々おまけして良くしてくれたお兄ちゃんところで、
カットのピッタイ(ジルコン)ルースを買う。



ピッタイ(ジルコン)は、
長く日光の下にさらされ続けると、
茶色だった色が、白くなってしまうそう。
だから、店頭に並んでいるのは白っぽいのか。

少し色が薄くなった黄色っぽいピッタイは、
ヒート(加熱)すると濃い色にカラーチェンジ!
白いのは、ヒートしても、ほぼ変わらない。
ただ、このピッタイの場合、
焼いても冷たくなったら、またもとの色に戻るそう。
すごい!おもしろい!
濃い色のものは、ヒートすると
セイロンティーの様なオレンジっぽい色に変わる。
不思議。夕日みたい。

最後におもしろいものが見れた。

そして、最後の晩餐。
カンボジアで出会った、激うまのビーフシチュー風を食べに行く。



ロックラックという、カンボジア定番の料理らしいが、
これが、ビックリするくらいコクとうまみがあって、
お肉もやわらか。
この味は、日本の一流レストランでもなかなか出せない気が・・・
付け合わせの青トマトと生オニオンが、最高に合う。
このお料理だけ、昭和感がなかった。
おいしすぎて、何度も食べに通った。

他にも、毎晩お世話になった、
練り物の串揚げ。
自分で好きなのを選んで、揚げてもらう。
おいしくって何本でもいけちゃう。



かわいい子供たちもいっぱいいた。
みんな、「ハロー!」って近寄って来る。



ちっちゃな日本代表も。



パイリンの採掘現場は、本当にいろんなスタイルだった。
大きな川、小さな川、道ばた、人の家の庭・・・
そこで採掘してる人はみんな、楽しそうに作業をしてた。
自由にできる採掘が楽しすぎて、
2週間以上滞在したカンボジア。

そして、出会う人みんな、
ものすごいやさしさで満ちていた。
他の国に比べたら、貧しい暮らしに見えたけど、
心はどこまでもピュアで澄んでいたように感じたし、
力強く生きる姿は、本当にキラキラ輝いていた。

専属バイクタクシーのブロスや、
採掘仲間のアンやブンナたち、
パイリンで出会った人が大好きになりすぎて、
離れたくない・・・

タイヘ戻る日。



ブロスが見送りに来てくれた。
ブロスから教えてもらった「リアハーイ!(バイバイ)」
でお別れ。

ブロスと一緒に風を感じながら走った道。
川では今日も砂を洗っている。
国境までの道は、涙、涙だった。
もうなかなか会えないかもと思ったら、とってもさみしくて。
やさしくしてくれた分だけ恋しくて、
みんなの笑顔が浮かんで涙が出た。
こんな風に、涙が出る別れは、旅をしててもあんまりない。
ザルとスコップは、ブロスに預けた。また来るからね。

みんなには、本当に元気でいてほしい。
また来るよ。
ソクサバーイ!